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2005年9月27日 (火)

私的録音録画補償金制度へのパブコメ提出に向けての考察 (1)現行制度

先日のブログで紹介した私的録音録画補償金制度等へのパブコメ提出にむけて、自分なりの考えをまとめていこうと思う。

2. 私的録音録画補償金の見直しについて
(1) 現行制度

家庭内等における私的な複製については,例外的に,権利者の許諾なく行うことができるとされている(第30条第1項)。一方,デジタル方式の録音・録画機器の普及に伴い,著作権者等の経済的利益が損なわれるようになった状況に対応するため,平成4年の改正により私的録音録画補償金制度が導入され,家庭内等における私的な「コピー」であっても,デジタル方式による録音・録画を行った者は,著作権者等に対して補償金を支払うこととされた(第30条第2項)。

この制度について考えるにあたって一番の論点となるべきなのは、この私的録音録画補償金という制度の存在自体についてだと思う。
私の意見としては、「補償金の制度自体が不要である」と考えている。

・そもそも、私的複製によって著作権者の経済的利益が損なわれるのか?

上記の現行制度の説明記載において、「デジタル方式の録音・録画機器の普及に伴い,著作権者等の経済的利益が損なわれるようになった状況に対応するため」とあるが、ここで損なわれると考えられている経済的利益とは何の事を指しているのだろうか?

普通の消費者が行う私的録音といえば、購入したCDの曲等を、持ち歩くためにMDなどの小型メディアにコピーするとか、好きな曲だけ聴くためにマイベストアルバムを作るといった事が主たるものだと思う。

しかし、もし上記のようなコピーが完全に出来ないような保護機能が存在した場合、それまでコピーしていた数と同じだけ購入するだろうか?おそらくそんな事は無いだろう。
消費者の普通の感覚から言えば、CDを購入するというのはCDというメディアを購入したのではなく、CDに入っている「曲」を購入したのである。
購入した曲を私的に利用するために別のメディアにコピーして利用するという行為に対して、別の代価を払う必要があるという事自体、容易に納得できる物ではない。

元々購入するかどうか分からないものに対し、利益の損失が発生すると考えるのは、あまりに乱暴な理屈としか言いようが無い。
一般的な私的複製では著作権者の利益を損なう可能性は低いと考えていいと思う。

・補償金制度の問題点は?

著作権者の利益を損なうというのは、普通に考えれば本来著作物を購入する筈であった人が複製品を入手する事で著作物を購入しなくなる場合の事だと考えられるが、前述した通り、普通の私的複製がCD等の購入数に影響する可能性は低い。
しかし、補償金制度では、回収する補償金の大半が、このような利益を損なわない複製からの徴収であると思われる。
少なくとも「私的複製」と「違法複製」はきちんと区別して欲しい。

また、違法コピー等はそれらの行為に対して直接処罰すればいい事であって、それらに対する不利益分を一般消費者にあらかじめ補償させるという考え自体が根本的に間違っていると思う。

・権利団体について思う事

JASRAC等が行っている行為は、どう考えても本来著作権法で保護すべき範囲を逸脱していると思う。
上記でも書いているとおり、本来は著作物購入を不当に妨げる行為に対して歯止めをかけるのが役割である筈だ。
しかし、営利目的でなく、なおかつ著作物購入の妨げになるとも思えない行為(例えば幼稚園のお遊戯とかで曲を流すなど)にまで使用料を請求するというのは、とても本来の目的に合った行為とは思えない。

このような本質的な問題が散見する状況で、補償金の適用範囲がどうこうといった事を議論している場合ではないと思う。
まずは、著作権法の本質をきちんと議論し、合意の取れた考え方にそって、個々の問題を論じるべきだろう。

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